カリーはカリーでもステフィンの方
今NBAが熱い。バスケ後進国のこの日本でも久しぶりにNBAの情報がメディアに出るようになった。
「オリンピックが近いせいで、日本国内でもバスケ熱が高まってきているせい」「楽天が放映権を取って力を入れてるおかげ」
そういう要因もあるのだろうが、本国で視聴率や観客動員などで記録的な数字が出ていることからして、NBAが盛り上がっているのは、虚像ではなく実像であるのは間違いなさそうだ。
エンターテイメントが溢れかえり、時間がいくらあっても足りない昨今、あのジョーダンがいたNBAの最も華やかな頃に匹敵する人気というのは、驚異的なことだ。
僕はカレーは大好きだが、ステフィン・カリーの事は好きにはなれない。しかし、この4年ほどカリーを抜きにNBAを語ることは出来ないし、このリーグの好調ぶりも彼なしではあり得なかった。彼とレブロンのドラマティックなこの4年間がこのリーグを復活させたのだ。
僕がカリーを嫌いになったのは、僕の中での神であるジョーダン。そのジョーダン率いるブルズが記録したレギュラーシーズン勝利記録の72勝を破って、カリー率いるウォーリアーズが史上最強のチームと言われた事が原因だ。
勝利数記録を更新する前年、ウォーリアーズは、あんなスリーポイントシュートだけで優勝できる訳がないと誰もが言う中で、初優勝を果たした。その時は素直に称賛していたのだが、翌年、あのブルズより凄いチームだなどと言われだすと、カリーとウォーリアーズを許すわけにはいかないとなってしまった。
歴代最高勝率で、2年連続優勝間違いなしと言われたなかで、レブロンがウォーリアーズを大逆転で破ってキャブスが優勝してくれたことで、胸がスッとしたが、レブロンはレブロンで、個人としてジョーダンに匹敵する。ジョーダンを上回るといわれ、それはそれで心中穏やかになれない。
その翌年、ウォーリアーズはとんでもない事をした。歴代最高と言われたチームに、現在レブロンとほぼ同じレベルにあるオールスター選手のケビン・デュラントを加えた。これによって、ウォーリアーズの優勝はシーズン前から決まってしまい。ファイナルでウォーリアーズはキャブスを惨殺した。目も当てられない惨状だった。
そして今年だ。レブロンにチームを去られては困るキャブスは、思い切った補強に踏み切った。ケビン・デュラントには遠く及ばないものの、オールスター経験者や盟友のウェイドなどを数人を加えた。昨年よりはいいメンバーが揃っていると前評判は高かったのだが、アクの強いスター選手ばかりだったせいか全く噛み合わず、プレーオフ進出さえ危ないのではという状況に。
チームはここで思い切った戦略にでる。せっかく取ったスター選手を2月のトレード期限直前にみんな放出したのだ。その結果、何とか4位でプレーオフに進出。
スター選手の代わりに取った選手達は、頑張ってはいるがとてもエリートとは言えず、ふと去年と比較してみると超エリートプレーヤーのカイリー・アービングを失っただけで、去年とほぼ同じプレーヤーがスタメンをはるチームに。つまりカイリー・アービング分弱くなったチームなのだ。こんなチームで去年とメンバーが変わらないウォーリアーズに勝てるのか。それどころか、ファイナルまでたどり着けるのか。そんな状況に追い込まれる。
しかし、第七戦までもつれ込む接戦を二回も経験しながらも、何とかファイナルまで来ることが出来た。
長くなったので、続きはまた今度